83歳筆者が再び考える「人工知能」...恐ろしいのは「AIの暴走」か、それとも? (4/8ページ)
「そのため人工知能は、超人間的知性に達しなくても、人間の存在に対する真の脅威となるかもしれません」と彼は言い、我々は人工知能について懸念すべきだが、その理由はホーキング教授が言ったのとは逆だと彼は説明している。
まあ、上掲のいずれの主張にしても、「AIが人間の脅威となり得る」という点では一致している。
だからこそ、これらの問題や危惧を専門家や技術者だけに任せて置いてはならない、ということである。良かれ、悪しかれ、こうした技術の発展の影響を最も受けるのは、我々一般市民だからである。
今まで、人間が苦労してやって来た仕事などを、いずれ進化したAIは、いとも簡単にやってのけてしまうことだろう。だから、人間が楽になるとも言えるし、経営者に取ってみれば、同じ、あるいはそれ以上の仕事をAIがやれるのなら、人間のように昇給を考慮する必要も無く、残業時間や健康管理や、過労死の心配も無いAIの活用を当然、考えることになるだろう。
そうなれば、今でも話題になりつつあるように、人間の仕事が、いずれAIに奪われることになるだろう。
経営者の論理ばかりで無く、もっと危険で、人間に対し、大きな被害をもたらすに違いないのは、AI技術の成果が頭の悪い政治家や、視野の狭い、忠実な職業軍人の手に渡ったケースだろう。
少し前のコラムに書いた"SNOWDEN"の映画の中でも取り上げられていたが、今の戦争、特に「テロリストとの戦い」と称される殺人行為では、「テロリスト」とされる人物の所有する携帯電話めがけて、無人飛行機が弾を打ち込むのだ。つまり、テロリスト、とされる人物本人を確認した上での標的というわけでは無く、AIは飽くまで、特定された携帯電話を持っている人物を、目標のテロリストとして攻撃することになる。もし、傍に居た、何の罪もない子どもが偶々、その携帯電話を玩具として遊んでいた、としてもだ。
つまり、AIは、そこまで(攻撃目標が対象のテロリストか、否か?)の判断まではしない(もしくは求められていない)から、もっと進化(あるいはむしろ、退化か?)したAIが、軍事応用されたときの、人間に加えられるかも知れない、被害は計り知れない。