アダ・ブラックジャック。北極遠征隊に加わり極寒の島に置き去りにされ唯一生き残った奇跡の女性サバイバー物語 (1/9ページ)
1921年、当時23歳だった女性、アダ・ブラックジャック(エイダ・ブラックジャックとも)は、探検隊のメンバーの1人で、シベリアの北の孤島、ヴランゲリ島へ出帆した。
小柄なイヌピアト族の女性であるアダは、とても北極圏を探検するタイプには見えない。だが彼女はどうしてもお金が必要だった。
お針子として、ヴランゲリ島での1年間の遠征のために、一匹のメス猫ヴィクトリアとともに、4人の探検家たちの衣服を修理したり仕立てるという契約を結んだのだ。
ところがこの探検はまったく計画性のないものだった。4人の探検家たちは探検経験もなく、不十分な蓄えしか持っていかなかったのだ。
翌年に船が迎えに来ると約束されていたが、分厚い流氷がそれを阻み、彼女たちは島に置き去りにされた。
・女性版ロビンソン・クルーソー「アダ・ブラックジャック」
遠征から約1年半後、メンバーの1人が壊血病らしき病気におかされた。残り3人のメンバーは助けを呼びに行くといってそのまま戻ってこなかった。
その3か月後、壊血病のメンバーも亡くなった。
遠征から2年が過ぎようとしていた。ようやく救助船が水平線の彼方から姿を見せた。アダはまだ生きている。猫のヴィクトリアと共になんとか生き伸びようやく救助されたのだ。
アダは"女性版ロビンソン・クルーソー"として知られるようになった。
ホッキョクグマの恐怖に怯えつつも、おとなしいお針子だったアダは、銃の使い方や罠の仕掛け方を独学で覚え、常につきまとう飢えの脅威もなんとか食い止めた。
自ら縫いあげた立派なトナカイのパーカを着て、救助隊と対面したとき、アダのやせ衰えた顔は誇らしげに見えたという。