嫌いなものとの距離の取り方を大切に。音楽レーベル『カクバリズム』社長・角張渉が伝えたいこと #好きなことで、生きていけるの?Vol.4 (3/12ページ)
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ーー(編集部)いきなりですが、好きなことをして生きていく、好きなことを仕事にしていくためには、なにが必要ですか?
「好きなことをして生きていきたい」と思ったことはなくて、意外と大事なのは、自分の嫌いなものとの距離の取り方だったのかなって気はするんですよね。これはしたくない、あれはしないようにしようとか。
たとえば、みなさんそれぞれ「好きなこと」ってパッと浮かぶと思うんですけど、好きなことに対して具体的に「なんで好きなのか」ってあんまり考えなくないですか? ライブに行ってるときに「あれ、なんで僕って音楽が好きなんだろう?」みたいな。
俺は「これが好きだ!」っていう確固たる意志があるっていうよりは、嫌いなものというかやりたくないものとの距離をすこしずつとりながら、なんとなく好きなことが仕事になっていったんですよね。徐々に「どうしようかな」「これは嫌だな」「こっちのほうがいいよな」っていう選択肢を選びながら生きてきちゃってるんですよ(笑)。
僕の場合は、好きなことがちょっとずつ変節していくというか、変わっていくし、加わっていく感じなんですよ。
今は社長をやっていますけど、音楽の仕事だったらライブハウスの店員でも照明でもローディー(アーティストの楽器のサポート業務をする人)でもよかったかもしれない。ただ音楽に関わる仕事の中で自分はレーベルが好きだったし、ライブも好きだったし、新曲をすぐに聞くのが嬉しかった。ってなったときに、だんだん変節して、こういう形になっていたんですよね。
だから多分、好きなことを仕事にしていく人が一番大切なのは案外変節なのかもしれない。こんなこと言うとかっこいいですけど。
「好きなことで生きていくって決めたんだから、こうしなきゃいけない!」とか自分を追い込む人もいるけど、もうちょっとふんわりしてもいいんじゃないのかな? って思いますけどね。