ネットのトレンド研究から、「やさしい世界」を作りたい-武蔵大学・粉川一郎教授の研究 (3/11ページ)

学生の窓口

大学院の学生の頃、1995年に私が考えていたのは「ネットワークに誕生するコミュニティーは、人間が生活する新しい場ではないか」ということでした。

また、ネットワークコミュニティーを面白いと感じていましたから、これについて研究しようと思っていたのです。

――95年ですから「Windows 95」が出た年ですね。

粉川教授 はい。パソコンが爆発的に普及しだした年ですが、まだインターネットについてはほとんど知られていませんでした。電話回線を通じた電子掲示板やチャットが行われていた「パソコン通信」の時代です。

『NIFTY-Serve』※2に「ネットワークコミュニティー研究会」というのがありまして、金子郁容先生、國領二郎先生、室井尚先生などそうそうたる方々がいらっしゃいました。

大学院生の私も末端に座らせてもらい、「ネットワークコミュニティーの動態研究」にも加えていただきまして、その後、そのテーマで修士論文も書きました。

ただ、そのまま博士後期課程に……ではなく、なんとなく成り行きで現場に出ていったんですね。

当時SFC(慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス)にいらっしゃった金子先生が、神奈川県藤沢市で「藤沢市市民電子会議室」をつくるというプロジェクトに私を誘ってくださったのです。

で、お手伝いしたのですが、この「藤沢市市民電子会議室」は地方自治体の歴史の中でもとんでもなくエポックメーキングな出来事だったのです。

――「藤沢市市民電子会議室」とは、どのような内容のものだったのでしょうか?

粉川教授 市民のみなさんが電子会議室でディスカッションを行い、それを市政に反映させようという日本初の試みでした。

その後、藤沢市を後追いして全国で900以上の地方自治体が電子会議室を持つことになる先行事例です。

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