ネットのトレンド研究から、「やさしい世界」を作りたい-武蔵大学・粉川一郎教授の研究 (8/11ページ)

学生の窓口

仮説検証型だけではなく、探索型の分析を行うことも多いのですが、労力をかけても結果が出るとは限らない。ただこれはどんな学問分野でも同じですからね。

――何もわからなかった……というのも一つの結論ですし。

粉川教授 ただ、それではつまらないですね(笑)。探索型の分析で、それこそ何十万件のデータを調べたのにもかかわらず、何もいえることが見つからないなんてこともあります。これはやはりつらいですよ。

「息苦しさの裏側にあるもの」は!?

――先生の研究の目標をお聞かせください。

粉川教授 今のインターネットって心が折れそうじゃないですか。

私は黎明期からネットとお付き合いをしてきましたけれども、元々は社会をよくし、新しい世界を切り開くとされたネットワークなんです。しかし、今はただただ息苦しさをつくっている。

ネット論客も元気が良かったのは2010年代の始めぐらいまでで、今やみんなネットワークに失望してしまっている。そんな状況があると思うんです。

人をたたくために、インターネットをつくってきたわけではないんですけれども。

――確かにコミュニケーションツールとしての使い方が問われる面はありますね。

粉川教授 そんな現状の中に何が隠れているだろうということを考えていまして、それが見つかれば、もっとよいネットの使い方が出てくるのではないか……と思います。それに、そのための要素というのはあちこちに出始めているんですよ。

例えば「AI」ですが、ゼミで面白い話を聞きました。

その学生の家族は「家族LINE」をやっているのですが、お母さんが一生懸命メッセージを送っても、息子と娘はそれに応えない。既読スルーとかね。

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