【小説】時間の奴隷/恋愛部長 (4/11ページ)

ハウコレ



現実の一真とは何もやり取りしていないのに、その日の心境次第で、「やっぱりがんばろう」と涙ぐみながら希望を燃やしたかと思うと、次の日には「もうお終いにしたほうが2人のため・・・・・・」とどん底まで落ち込んだりする。

その振れ幅がひどすぎて、たった1人で船酔いしそうだ。ただこれだけは、言える。

仕事に真剣に取り組む一真が好きだ。絶対に弱音を吐かずに、打ち込んでいる一真が大好きだ。他には誰も考えられないくらいに。

たとえば、たまに友人に連れ出される合コンで、夕方から飲み屋に顔を出して、キレイに整った眉毛でニヤついている男を見ても、全然魅力的には思えない。

こんな時間からチャラチャラやってて、男としてどうなの? と思ってしまう。それに比べたら、仕事に全力投球してる一真は素敵だ。そうやって、何事にも誠意を尽くす男だから惚れたのだ。別れるなんて、とても考えられない。

自分が望んでいるのは、ほんのわずかなことなのだ。大それたことなど望んでいない。ただほんの少しだけ、舞のことも思い出してほしい。

1日の終わりだけでもいい。5分でいい。ホッと一息ついた時に、会いたい、声を聞きたい、と思ってほしい。

声だけでも、文字だけでもいい、つながっている証しがほしい。それは、そんなに大それた望みなんだろうか?このままでは自分は壊れてしまう。

一真にとっての理想の彼女でありたい自分と、寂しさに耐えられずに叫びだしてしまいそうな自分と。真っ二つに引き裂かれてしまう。

舞は、スマホを取り出した。

先ほど確認した時から、たったの47分しか経っていなかった。何もすることがない、帰宅後のこの時間ほど長い時間はない。舞は、その日何十回目かわからないため息をついた。■時間はつくるものだから

ミルクティーを飲む女性

「え~、それはさあ、舞がやさしすぎるんだと思うよ」

友人の由佳は、気の毒そうな顔で言った。

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