【小説】時間の奴隷/恋愛部長 (1/11ページ)
- タグ:
-
恋愛部長の「ダメな恋ほど愛おしい」
-
片思い
-
彼氏
-
失恋

時間は私たちの恋を刻んでいく。どんどん細かく刻んでいく。
あなたにとっては消し飛ぶほどの短い時間を、私は永遠かと思うほどに感じている。
私の周りに、待ち続けた時間の破片が、氷のように冷たく振り積もる。
ねえ、次に、あなたが私を思いだすまで、私、あとどれくらい、待っていたらいいんだろう。

最近は、時計ばかり、気にしている。
今この時、彼が何をしているのか。詳細に思い浮かべ、そして、その隙間を、妄想の中で探そうとしている。そんなことばかりしていると、ひどく疲れるばかりだとわかっているのに。
舞は、睨みつけていたスマホを置いて、ため息をついた。ただ1人の小さな部屋で、まるで息を殺して生きているみたい。まるで逃亡者か何かのようだ。
逃げ出したい、とは思う。彼だけを思うこの時間から。彼の心のうちまで想像して、身を切られるような思いをするこの時間から。
先ほど、夕飯時に彼に送ったメッセージアプリにリアクションはない。読んだ形跡もないから、まだ仕事をしているのだろう。最初は既読になったまま返事がないことにイライラしたけれど、最近は既読にすらならないこの状況に余計イライラする。
たぶん、舞が先月こう言ったせいだ。「既読になったということは返事が来るのかと期待してしまう」と。メッセージに気づいたらすぐ返事がほしい、という意味だったのだが、一真は違う風に取ったらしい。つまり、「返事をする気がないなら、そもそも読むな」と。
以来、既読にすらならなくなった。これで、自分から一真への一筋の回路さえ閉ざされたような気持ちだ。