【小説】時間の奴隷/恋愛部長 (3/11ページ)

ハウコレ



スマホを気にする女性



いつの間にか、月に一度会うことも叶わないくらい、2人の関係は希薄なものに変わっていた。メッセージを送っても、ろくな返事は返ってこなかった。朝目覚めると、夜中に送られた「つかれた」というスタンプだけがスマホの画面に虚しく浮かんでいた。

最初こそ、「大丈夫?」と夜食の弁当をつくって自宅を訪れてみたりもした。だが、ただひたすらにパソコンに向かい、目の色を変えている一真の横にいても、自分が透明人間になったようで虚しくて、会いに行くのをやめた。

会社の近くを通りかかる時も、もし少しでも顔が見れたら、と思ってメールしてみたりしたこともあったけれど、「ごめん・・・・・・」という言葉の先を飲み込むような返事が返ってくるだけなので、連絡するのはやめた。

せめて文字だけでもやり取りしたい。1日に一度でいいから、と思って、毎日メッセージアプリに朝晩のメッセージを書き残しているけれど、それもいつしか返事が返って来なくなった。

「ああ、もう私のことはどうでもいいんだな・・・・・・」そう思うと不意に、もう全部終わらせたい、という衝動に駆られる。でも、今の一真は、自分の知っている一真ではない。全部忙しさのせいなんだ。時間がないだけなんだ。と思うと、そんな一真を切り捨てるのはいけない、とも思う。

一真の仕事を理解したい。頑張っている一真を応援しなけりゃいけない。自分さえ我慢して、待っていればいい。そう思う気持ちと、本当は一真はもう自分に飽きていて、愛情や思いやりをかける必要も感じていないんではないか。長く付き合っている自分は軽んじられているだけなんじゃないか。という気持ちがせめぎ合う。

毎日、一真の心の内を想像しては、自分の中で激しくアップダウンする。おかしなものだ。
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