「福」を呼び込め!陰陽道から生まれた幸運を祝う浮世絵「有卦絵」とは【後編】 (5/8ページ)
「ふ」で始まる花の名
三枚の掛軸の右側には“ふ”ではじまる“藤の花”が、掛軸の前には“福寿草”が飾られています。
このように花の名前の最初の文字が“ふ”で始まるものを描いた『有卦絵』には以下のようなものもあります。
『木性の人』1861年 画:豊原国周(都立中央図書館特別文庫室所蔵)
上掲の有卦絵では“福助”が花屋の店番をしており、“福娘”が“ふうらん”の鉢植えを手にしています。この花は江戸時代から愛された伝統園芸植物で“富貴蘭(ふうきらん)”といい、徳川十一代将軍家斉も愛好したという花です。
福娘の後ろには“ふくぼたん”、そして右へと“ふぢなでしこ”、“ふよう”、“ふうきそう(富貴草)”、“福寿草”、一番右下には“藤の花”があります。
福助の上着のポケットのあたりには“福”の字が、福娘の着物の模様にも“福”の字が染め抜かれており、福尽くしの「有卦絵」です。タイトルに『木性の人』とあるので、それに因んだ(つまり“植物の絵”)でまとめたのでしょう。