「福」を呼び込め!陰陽道から生まれた幸運を祝う浮世絵「有卦絵」とは【後編】 (8/8ページ)
「金性の人」 明治24年(部分) 画:歌川国貞(3世)都立中央図書館特別文庫室所蔵
さて、初めの「金性の人」の“有卦絵”に戻りますと、立っている女性が捧げ持っているものは“二股大根”で、着ている着物の模様は“瓢(ふくべ)”です。
座っている男性が三方に乗せて掲げているものは“有卦菓子”というものです。これは福を運ぶ“宝船”に“ふ”が頭文字につく物を型どったお菓子を載せています。江戸時代には“有卦菓子屋”という菓子店があったほど人々の間に浸透していました。
ちなみにこの宝船の帆の支柱は“筆”を模していますね。縁起を祝って“有卦菓子”を床の間や神棚に飾りました。そしてこの男性の羽織の紋は“ふくらすずめ”です。
『有卦絵』は江戸後期から幕末には流行し、明治の中頃から廃れていきました。日本は江戸の後期から明治維新を経て、国民は将来が予測できない不安に苛まれ、有卦絵などに心の安心を求めたのではないでしょうか。
“国民は将来が予測できない不安に苛まれ”ているのは現在の日本の状況に似ています。なにかしらの安心材料、もしくはその根拠になるものが必要ではないでしょうか。
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