力道山、アントニオ猪木、ファイティング原田…格闘技レジェンド「魂の名言」 (1/5ページ)
闘う者だから生まれる独特の表現。命を賭して生きる男たちが口にした“言葉のエネルギー”をご堪能あれ!
空手チョップで終戦直後のニッポンを元気づけた力道山が本誌に登場したのは、1963年19月17日号のインタビューコーナー『突如参上』だった。プロレス団体のみならず、高級賃貸住宅、飲食店、レジャー施設などを手広く経営していた当時38歳の力道山は、成功の秘訣を問われると、即答した。「“宵越しの金”は持たないということだろうな。入ってきた金は、一円でも多く倹約して、次の仕事に回すという意味サ」
その答えは、まさにやり手実業家のそれ。「大金持ちだという世評について、どう思うか?」と問われると、マユをピクリと動かした。「大方、週刊誌あたりからウワサが流れるんだろう。実をいうと、毎月手形を落とすのに、追いまくられているんだ。本当だヨ」
インタビュー時、新婚生活4か月で、翌春には子息誕生が控えていた。その話が記事に出たため、関西を旅行した際、女学生から「“恋愛結婚”なんですか」と聞かれたと話す力道山。「この頃の若い娘はみんな早熟なのかネ?」
だが、このスーパースターが、その子をその手に抱くことはなかった。この2か月後、突然の凶行に襲われ、この世を去ったからだ。