何時の世にも桜は咲き散る。宮中の官女たちが桜を題材に好み楽しんだ「連歌」とは何か? (4/9ページ)
宦女桜筵連歌ノ図 (部分1) 画:芳年 国立国会図書館デジタルコレクションより
上掲の絵の左下の官女が、よく見ると手に文字が書かれた短冊を持っています。
この短冊の上部が紫色に染められています。これは絵の中で“釵子(さいし)”と呼ばれる装飾具を額の上に載せ、紫色の“打掛”を着て立っている官女の短冊でしょう。この官女が部屋にいる官女の中で最高位の人と思われます。
連歌で一番最初に詠まれる長句(五七五)を【発句(ほっく)】と言います。普通は出席者の中でも“高位にある人”や“主客”が詠みます。
つまりこの絵の連歌会で発句を詠んだのは、紫色の打掛を着た最高位の官女であり、この連歌会の出席者は少なくとも4人です。
発句は“挨拶句”とも呼ばれ、その日の季節を表す季語を入れることが基本です。連歌ではその発句の季語をもとにして、季節の流れを表現していきます。
脇句(わきく)発句に続けて次の人が読む短句(七七)を【脇句(わきく)】と言います。「客発句、脇亭主」と言われ、その日の連歌会の主催者である亭主が脇句を読むのが普通です。
