何時の世にも桜は咲き散る。宮中の官女たちが桜を題材に好み楽しんだ「連歌」とは何か? (5/9ページ)

Japaaan

脇句を読む人は、発句の中に込められた作者の想いを察知して歌の言外にある余情などを脇句に詠みます。それが“おもてなしの心遣い”なのです。

さて、この絵に描かれた官女の中で脇句を詠んだのは誰でしょうか。

宦女桜筵連歌ノ図(部分2) 画:芳年 国立国会図書館デジタルコレクションより

宦女桜筵連歌ノ図(部分2) 画:芳年 国立国会図書館デジタルコレクションより

筆者はこの絵の左端から3番目の、歌が書かれた短冊を左にいる官女に見せて『このような歌はどうでしょうか』とでも話しかけているような官女が脇句を詠んだのではないかと思います。

ここで描かれている連歌会は内々の宴です。客人を招いて亭主が詠むという会ではないので、まだ連歌会の場数が少ない官女に脇句を詠ませたのではないでしょうか。

そのうえ連歌作りに参加していない他の官女たちも、この官女を指差したり、見たりして『どんな句が出来たのかしら』とでも思っているようです。

絵の一番左側に座している官女は脇句を『そうきたか』と思っているようでありながら、その先を見ている余裕があるように見えます。

第三句

文字通り“脇句”の次に詠まれる三番目の長句が【第三句】です。

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