【秘話 鎌倉殿の13人】源頼朝最後の男系男子・貞暁(じょうぎょう)の波乱に満ちた人生と北条政子との因縁:その3 (8/9ページ)
突然その太刀を抜くと、止めるまもなく左目に突き刺し眼球を抉ったのです。
貞暁:このようになっては、もはや武家として戦場での働きは望めません。ご納得いただけないならば、もう片方の目も潰しましょうぞ。
政子:もうよい!見事な覚悟を拝見いたした。どうやら私の考えが間違っていたようです。そなたには申し訳ないことをした。どうぞ、仏道に御専心ください。
政子は貞暁の凄まじい決意を目の当たりにし、感服すると同時に今までの自分を恥じ、心から詫びました。そして貞暁に、権力争いの末命を落としていった源氏・北条一門の菩提を弔うことを依頼したのです。
その後の貞暁と現存する三基の五輪塔
高野山西室院に残る「源氏三代供養塔」。(写真:T.TAKANO))
貞暁と政子の面会からわずか1年後の1219(建保7)年1月27日、鎌倉幕府三代将軍源実朝は公卿に暗殺されました。
晩年の政子は貞暁に深く帰依したといわれます。1223(貞応2)年、貞暁は政子の援助で五坊寂静院を建て、幕府も貞暁を頼朝の血を引く「鎌倉法印」として崇敬しました。