品川区の善福寺に残る鏝絵で有名な伊豆の長八の非・老害エピソード (2/8ページ)
この部位は、食欲や睡眠欲など、動物的本能を司る大脳辺縁(だいのうへんえん)系が、「生命」として真っ先に発達するのとは異なり、大体10代後半ぐらいまで成長を続ける。それゆえ、子どもの頃に我慢や抑制をせずに育つと、この部位の発育が弱くなるのだ。
第二の理由は、脳内の神経伝達物質・セロトニン不足による。それは、現代人特有の問題でもあるのだが、疲労・ストレス・夜型生活・運動不足・人とのコミュニケーション不足によって、セロトニンを分泌させるセロトニン神経が弱まっているというのだ。
そして最後の理由として、血糖値の乱高下にあるという。脳が正常に働くために必要な血糖値が80を下回る低血糖状態に陥ると、体が血糖値を上げさせるため、アドレナリンなどの興奮物質を分泌させるようになる。または、空腹時に甘いものを摂取すると、今度は体が、血糖値を下げさせるために、インシュリンを分泌する。そうなると今度は逆に血糖値が急降下し、低血糖状態となる。そうなると集中力が途切れ、ぐったり、ぼんやりしてしまう。その後、低血糖ゆえに、今度はアドレナリンが分泌されてしまい、イライラ激高し始める場合が少なくないという。
或いは、葉山節医師によると、会社勤めなど、社会的な制約があるうちは、脳を三層構造に分けた際、一番外側にあり、理性を司る「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」が常に鍛えられている状態にあることから、「多少のこと」なら我慢できる。しかし定年退職後に自由を手に入れてしまうと、大脳新皮質がだんだんと衰え始める。更に病気や加齢などによって体力そのものまで弱ってくると、一番内側にあり、生命の中枢である「脳幹(のうかん)」の働きも悪くなる。そうなると、真ん中にあり、感情を司る「大脳辺縁系」が暴走してしまうというのだ。
■年月とともに成熟して老いることはできないのだろうか
或いは、葉山節医師によると、会社勤めなど、社会的な制約があるうちは、脳を三層構造に分けた際、一番外側にあり、理性を司る「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」が常に鍛えられている状態にあることから、「多少のこと」なら我慢できる。しかし定年退職後に自由を手に入れてしまうと、大脳新皮質がだんだんと衰え始める。