「鎌倉殿の13人」ついに始まる最終決戦“承久の乱”!第47回放送「ある朝敵、ある演説」予習【後編】 (5/9ページ)
立派な勇士として成長したそなたを見届けられたのだから」
こうして光季は我が子の首を掻き切って殺し、その亡骸を燃え盛る火中へ放り込みます。そして東の方角を向いて合掌拝礼。
「南無帰命頂礼鎌倉八幡大菩薩若宮三所(※)。我が身命を投げうって権大夫(義時)の武運長久を祈願し奉る……」
(※)なむきみょうちょうらいかまくらはちまんだいぼさつわかみやさんしょ:鶴岡八幡宮におわす八幡大菩薩ら三柱の神々(応神天皇・神功皇后・比売神)にひれ伏して心よりお祈り申し上げる意。
続いて今度は西の方角へ向き直ります。
「南無西方極楽教主阿弥陀如来(※)。生きとし生けるすべての魂を救わんと願われる思いがまことであるなら、どうか我らも極楽浄土へ迎えたまえ……」
(※)なむさいほうごくらくきょうしゅあみだにょらい:現世よりはるか西の彼方にある極楽浄土で衆生を教え導かれる阿弥陀如来様、の意。
念仏を三十度ばかり唱えて、これで死出の支度はととのいました。
「義時、後は任せた。我らが仇をとってくれ……っ!」
ついに光季は腹を掻っ捌き、先ほど放り込んだ光綱の遺体にかぶさって果てます。それを見届けた贄田四郎も抵抗をやめ、自刃して果てたのでした。
「みんな聞いて!」政子の演説に、奮い立つ坂東武者たち……京都でそんな悲劇があって5月19日。鎌倉に光季の悲報を届ける使者が飛び込みます。