部屋中が物であふれてしまう「ためこみ症」の背後にあるものは? (7/10ページ)
こうした物が蓄積され、将来の可能性を感じたり、感傷的になったり、思い出が呼び覚まされたり、いつか誰かが必要とするかもしれないすばらしい物を、ゴミとして処分してしまうのは、もったいないと、ぐずぐずと別れを惜しむのだ。
あるいは、自分の持ち物をどうすればいいかについて、他人から口出しされるのが、ただ嫌いな場合もある。
まれではあるが、物をため込む人が、所有物の数を減らしたいとたとえ思っていても、乱雑な大量の持ち物を仕分けするのは至難の業だ。
重度のためこみ症の人は、気が散りやすく、集中するのが苦手な傾向がある。逆説的だが、彼らは完璧主義者でもあるので、間違いを犯すリスクよりも、決断を先延ばしにするほうを選ぶ。
こと自分の持ち物のこととなると、タイプごとに分類するようなことはしない。彼らはひとつの物を大きなグループの中のひとつだとはみなさない。
例えば、42枚の黒いTシャツのうちの1枚として見るのではなく、唯一無二の特異で、スペシャルなものとして見ている。
黒いTシャツの1枚1枚は、それぞれ区別されていて、独自の歴史、重要性、価値をもつ。Tシャツ用の引き出しに、ほかの黒いTシャツと共に分類収納されることもなく、山積みの衣類の上に無造作に置かれ、空間的に引っ張り出される、といった具合だ。
こうした、一見無秩序な状態は、他人がその山に触れたり、動かしたりして、知らず知らずのうちに目に見えない秩序を破壊されることを極度に嫌うことにつながる。
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・ためこみ症の人は増えているのか?
ためこみ症は、現実に増えているのだろうか? それとも、メディアの報道によって、私たちがそれをより意識するようになっただけなのだろうか?
推定では、1900万人ものアメリカ人が、ためこみ症を患っているという。