【関ヶ原の合戦】死を覚悟した鳥居元忠(音尾琢真)が息子たちに送った遺言がコチラ【どうする家康】 (8/9ページ)

Japaaan

「関ヶ原合戦絵巻」より

……天下は幾程なくして當君の御手に入るべし、左あらば必ず御取立を受け、大名にも成らなんと思て、御奉公する者もありなん、必ずや此心抔出来らば武士の冥理の盡る端ぞと知るべし、官禄を賜はらん大名に成らんと、欲心に牽かれて貪らんに命の惜からぬことあるべきや、命が惜まれては何の武功を為すべき、武家に生れて忠を心に掛けず、只身上の富を思ふ者は外に諂ひ、内に奸謀を工み義を捨、恥を顧みず、後々末代武名を汚す、誠に口惜しきことなり、……

※『名将言行録』巻之五十一 鳥居元忠

【意訳】秀吉亡き今、天下は間もなく殿の掌中に納まることとなろう。だからと言って今の内に取り入って出世したいなどと思ってはおるまいな?それは武運の尽きる兆しであると心得よ。

やれ官職や俸禄が欲しい、大名になりたいなど欲望に引きずられてしまえば、必ず命を惜しむようになる。ならぬ筈がない。命を惜しんで何が武士じゃ。

武門に生まれておきながら忠義を忘れ、我が身の損得ばかりを考えて偉い者に媚びへつらって内心ではよからぬ事をたくらみ、義を捨てて恥を顧みねば末代まで名誉を汚すことになろう。

もしそのようなことになれば、誠に口惜しき限りである。

最後に

……是等のこと申に及ばざれども、先祖の名を二度挙げらるべし、且つ家の仕置等のことは、兼ねて申談ぜし通なれば、今更申に及ばず、累年定め来る所見も聞もせられたり。第一行跡のこと、嗜み礼儀正しく、主従能く和し、下に憐愍を加へ、賞罰の軽重を正して親疎の依怙あるべからず、人の人たる道を以て本と為すべし、と言遣はせり。……

※『名将言行録』巻之五十一 鳥居元忠

【意訳】これらの事は申すまでもないが、先祖の名誉にあぐらをかくことなく、二度挙げるよう奉公すべし。その他の細かいことについては以前から伝えておいた通りであるから、今さら申すには及ばぬ。

何はなくとも礼儀正しく主君に忠義を尽くし、領民たちを深くいたわり、賞罰は依怙贔屓のないよう公正にせよ。何事につけ、人が人として生きる道を基本とするべし。

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