大河『べらぼう』実らなかった禁断の初恋…蔦屋重三郎(横浜流星)と瀬川(小芝風花)の関係は史実? (2/6ページ)
「……何とも悲しいお話しだねぇ」「……創作なのが、せめてもの救いサ」
結論から先に言うと、蔦屋重三郎と五代目瀬川が恋仲であったというのは、大河ドラマの創作でしょう。
二人が幼馴染であったという設定にも、史料的な裏付けはありません。
そもそも蔦屋重三郎は茶屋の養子(後に本屋)、瀬川は松葉屋の遊女。劇中でも触れられている通り、吉原者と遊女の恋仲はご法度でした。
もし露顕すればタダでは済まされなかったはずです。だからこそ「歴史の表には出て来ないけど、だからこそ実は……」というアイディアがひらめいたのでしょう。
遊女となった幼馴染。彼女への想いに気づいた朴念仁が、禁断の初恋に身を焦がす……少なくない視聴者が、固唾を呑んで見守ったことと思います。
しかし突きつけられた遊女の現実。忘八夫婦がその気になれば、愛する瀬川を年季明け前に殺すことなど造作もありません。
しがない本屋風情が年季明けに身請けしたところで、その金額はタカが知れています。誰もが(それこそ駿河屋の親爺様でさえ)勘づくほど、誰もが知っていた二人の絆。なればこそ、いざ恋に落ちてしまえば、その結末は余りにも見え透いていました。
まったく哀れと言うよりなく、これがフィクションであったのが、せめてもの救いと言えるのではないでしょうか。
