「べらぼう」そうきたか!老舗ができないことをやる−−挑戦とアイデアの宝庫・蔦重の底力【後編】 (3/9ページ)
北尾政美の狂歌絵本「狂歌 四方の巴流」1795 (寛政7)年
そこで、蔦重があらためて依頼したのは「狂歌の指南書」でした。
狂歌が流行り狂歌本が出回るマーケットで、そんな狂歌を読み解くマニュアルのような解説書のような「指南書」を作ろうと思いつくあたりは、蔦重らしい「そうきたか!」の才を感じますね。
狂歌は、自由気ままに詠んでいいようにみえますが、「うまいなあ!」と思わせるには、いわゆる元ネタとなる和歌の知識がないと難しい(なくてはいけないということはないのですが)……ともいわれています。
そんな狂歌の指南本があれば、流行り物には敏感な江戸っ子はすぐに飛びつくのではないでしょうか。実際に、狂歌会では真面目な顔して大人たちが「ばかばかしい」歌を詠んでいるのやりとりが面白いのですが、いざ自分で詠んでみようと思っても、コツがわからず筆者は「結構難しいものだな」と感じていました。
耕書堂が太田南畝の「狂歌の指南書」を出版するなら、ぜひ読みたいと思います。
「吉原の風景の中にいる遊女の錦絵」を出したい!な「そうきたか!」さらに蔦重が手掛けたいと亡八たちに持ちかけたのが、『青楼美人合姿鏡』を本ではなく、錦絵として売り出すことでした。