「べらぼう」そうきたか!老舗ができないことをやる−−挑戦とアイデアの宝庫・蔦重の底力【後編】 (7/9ページ)
NHK大河「べらぼう」公式サイトより。『一目千本』以来、蔦重と長く深い付き合いとなった、人気絵師・北尾重政。
北尾重政は、遊女らを花に見立てた『一目千本』を作るときに、蔦重が絵を依頼した絵師です。その後も、『青楼美人合姿鏡』でも絵を描いていますし、蔦重が耕書堂の経営基盤を築いた『往来物』(子供の教科書のような本)も、書も得意とした重政が作ったのではないかという説もあります。
出会った頃、蔦重は開け出しの出版人でしたが、重政はすでに絵師として人気も実績もありました。
史実では、重政は本屋・須原屋三郎兵衛の長男として生まれ、本に囲まれて育ち、絵や書、俳諧において才を育むこととなった人。蔦重の本作りへの情熱に共感し、蔦重のいいパートナーとしてその成長過程に関わりたかったのかもしれません。
そんな重政の「俺ゃ歌にやってほしかったけどね」は、蔦重の心にもズシリと響いたのでしょう。
重政を見送った後、早速耕書堂に戻り、歌麿に「お前の名前をどんどん売ろう!」
と熱く熱く語ります。
歌麿は「絵のこと(自分が錦絵本の絵師から外されたこと)なら何とも思っていない」と言います。「屋根があって飯食えて絵を描けて蔦重と暮らせればいい」とも。