狼に片腕を噛み砕かれ…死闘の結果は?柳田国男『遠野物語』が伝える”命懸けの一騎討ち” (1/4ページ)
明治時代ごろに絶滅するまで、日本各地には狼(ニホンオオカミ、エゾオオカミ)が棲んでいました。
古くから御犬(おいぬ)や山犬などと呼ばれ、畏怖と信仰の対象である反面、時として人間生活を脅かす存在として伝わります。
今回はそんな狼と人間が争った歴史の一幕を、柳田国男『遠野物語』より紹介。果たしてどんな結末を迎えたのでしょうか。
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むかし六角牛山(ろっこうし)のふもとに、オバヤ、板小屋と呼ばれる萱山がありました。
萱山(かややま)というのは生活に必要な萱(茅。屋根葺きなどに用いる草)を刈り取るための山で、周囲の村々が譲り合いながら利用しています。
ある年の秋、飯豊村(いいでむら)の者たちが萱を刈りに出た時のこと。彼らは岩穴の中に、狼の子供が三匹いるのを見つけました。
