『べらぼう』総集編を振り返り!死の間際まで書を以て世を耕しエンタメを次世代にバトンタッチ【蔦屋重三郎・後編】 (3/10ページ)
実は、吉原の妓楼主たちが上客の弔いに招かれた時、「吉原もんだから」と、庭先に座らされおまけに雨が降ってきて濡れているのに部屋にも入れてくれないということがありました。本当に、クズのような喪主の差別。「四民の外」の吉原者に対する不当な扱いに、雨に打たれながら蔦重は心を決めたのでした。
けれども、その決意を告げると、駿河屋の親父様に「てめえの名があがったら吉原とはおさらばか」と階段落ちさせられます。
ここからの蔦重の名台詞。
「けれど親父様。江戸のはずれの吉原もんが、日本橋のまんまんなかに店をだせば、誰にも下げずまれないどころか、見上げられまさあ。吉原は親のない子拾ってここまでしてやる、俺が成り上がりゃあその証になる。
生まれや育ちなんか人の値打ちには関係ねえ。屁にみたいなもんだ。それが、この町に育てられた拾い子の、いっとうでけえ恩返しになる」
このセリフには痺れました。「生まれや育ちなんか人の値打ちには関係ねえ。屁にみたいなもん」現代社会にもそのまま通じる言葉でした。
蔦重と瀬川(小芝風花)の共通の夢「吉原をもっとよい場所にしたい」は、変わっていないどころか、より強い信念となっているのを感じました。
彼の夢は、安全圏で今のビジネスで安定した収入を得続けることではありませんでした。