【豊臣兄弟!】光秀・秀吉、涙の茶室。“主”は違えど忠義は同じ…始まる豊臣の「天下への道」 (1/8ページ)
「わしが誠にお仕えしたかったのは、生涯ただ一人…公方様だけじゃ」
最後、実にいい表情を見せた明智光秀(要潤)でした。
捕らえた光秀を茶室(に見立てた仏間か)に招き、貴人台に口の金覆輪がはえる油滴天目の茶碗で茶をたてて“もてなす”秀吉(池松壮亮)。
二人の「忠義を尽くす“主”は、生涯にたった一人だけ」思いは同じでした。
その“主”のこそ違えども、「あの方の作る世が見てみたかった」という、願いも共通していました。
たった一人の主・織田信長(小栗旬)に忠義を尽くす秀吉。
たった一人の主・足利義昭(尾上右近)だけを思ってきた光秀。
薄暗い茶室の中で、そんな二人を見つめる阿弥陀仏の手は、九品往生のなかでも最上級の『上品上生』の形でした。
極楽浄土に導かれる“最も善き人” などを表す形だそうです。
背後から差し込む陽光に全身を包まれた光秀の、“これから行く先”を示しているようでした。
「豊臣兄弟!」第29回『天下への道』。
心の中の思いを吐き出して「悔いはない」と笑みを見せる光秀、頬に流れる涙が止められない秀吉。
抱える思いは同じ二人のやりとりは、誰も加わわることのできない、静かで真摯な“決戦”のようでした。
いよいよ、豊臣の「天下への道」が始まった秀吉と、最期を迎える光秀が織りなした名場面を中心に振り返って考察してみたいと思います。