湯浅監督が全話解説! 『ピンポン』無料配信特設サイトがすごい (8/13ページ)
大田はきっと片瀬の中で田所みたいなんだろうなって思ったら理解できたんです。
――一方、真田のカットではベッドの脇にティッシュがころがってました。
湯浅 高校生が主人公だし、もっと性的なニュアンスも入れたいと思ったんです。とはいえ、松本さんのマンガだからなって自粛していた部分もあって。でも、お会いした時に「湯浅さんならやるんですよね?」って言われて(笑)、期待されているなって思ったんです。ただ入れようと思っても、実際にはなかなか入れづらかったんです。それで目をつけたのが真田。真田には申し訳ないけど、真田が一番普通の高校生だろうって、そういうカットを作りました。ただもともとのキャラとはちょっと違ってはいるんで、心配になって松本さんにメールを送ったりして。
――返事はどうだったんですか?
湯浅 アニメはアニメ、原作は原作なので自由にしてください、というお返事でした。ドラゴンは卓球だけに集中できてますけど、やっぱり好きな女の子もいて、部活もあって、そこを行ったり来たりしているのが普通の高校生かなと。ああいう入れ方するとギャグっぽくなってしまうんですけれど。でも入れないよりも何かあった方がいいと考えました。
――第6話は人気のある話数ですよね。
湯浅 前後ではっきり別れて、クリスマスのシーンとアクマとペコのいいシーンがセットになってる構成なんですよね。一番この話数が、ふわっと松本作品から外れている雰囲気もあるんですけど。でも、それがいいと思ってもらえたらうれしいですね。それがアニメ『ピンポン』のバランスのような感じがします。
――海に入ったアクマが叫ぶところは顔がおもしろいですよね。
湯浅 原作でああいうコマがあるんですよね。松本さんって、たまにわざと崩れた絵を描く時があるんです。最終話でオババが、出かけていくスマイルがドラゴンに「オーイ」って声をかけているところなんかも、わざと絵を崩して描いてる。ほかにもオババが急にタヌキみたいになっていたり、月と星のマーク同士が会話しているみたいなコマ割りとか。松本作品を読んでいても、なかなかそういう部分は見落としちゃうところを、推していこうというのが今回のテーマでもあるので。