湯浅監督が全話解説! 『ピンポン』無料配信特設サイトがすごい (12/13ページ)
湯浅 ドラゴンって人が、何から解放されて、何がヒーローなのかをはっきり描くことが第10話の目標でした。実写映画版はペコに感情移入させて、ペコと一緒に気持ちがぐっと入っていって勝つって感じに構成してあったんですけれど、アニメ版はやっぱり敗者の視点だろうなって。それで、ドラゴンから見たペコを描くのがいいだろうなと思ったので。音楽も前半はドラゴン寄りでべったりやって、後半はペコ寄りでベタッと流していくプランをたてました。演出してくれたウニョンさんもすごく頑張って、時間のない中で絵をたくさん描いてましたね。ドラゴンなんかは、結構ウニョンさんのタッチが入ってます。あとだんだん色が抜けて白い世界になっていくといのも手間がかかる要素でしたけど、うまくやってくれました。
――ウニョンさんとはいろいろ一緒にやられていますが、やりやすいのはどこですか?
湯浅 合っているところはやりやすいですね。あのパース感とか絵の感覚は近いですね。一緒に仕事している中で一番近いくらい。でも、合ってないところは、どうしようもないくらい違う(笑)。彼女も主張が強いですから。だから、やりやすいだけじゃないんですけれど、今回もいろんなことを考えていろいろやってくれていました。
第10話ヒーローなのだろうが!!
第11話血は鉄の味がする
――サブタイトルの言葉は第1話から出ているセリフです。
湯浅 原作の最初から言われていた「血は鉄の味がする」の意味を自分なりにずっと考えていたんです。初見では分からなくて混乱しました。それがやっているうちにだんだんはっきりしてきて、『ピンポン』という物語はロボットになったスマイルが、血を取り戻す話なんだろうっていうことが見えてきました。あのセリフは、ロボットだと思っていても、本当は血が通っているんだよ、血だって鉄の味がするんだから皆と同じだよ、っていうセリフなんだって。ロボットになったスマイルがペコに救済されるというか、ペコは救済のつもりはないんだけれど、本人が楽しんでやっていることが、スマイルのいろんなものを解放するというか。
――第10話、第11話でペコがなぜヒーローなのか具体的に描かれます。