湯浅監督が全話解説! 『ピンポン』無料配信特設サイトがすごい (9/13ページ)
『ピンポン』って真面目なばかりじゃないんだよって。
――川を流れていくペコを矢印で指しているのも笑えました、
湯浅 原作は橋で飛び降りるシーンと海へ行くシーンの二つあるんですよね。それ一個にしちゃったので、川から海へ流れていくっていう流れが必要になったんですよね。で、流れているところは矢印をつけないとわからないだろうなぁと。もともと、橋の上でしてる会話は、原作では海でしている会話なんですよね。
第6話おまえ誰より卓球好きじゃんよ!!
第7話イエス マイコーチ
――スマイルと小泉のエピソードです。
湯浅 なぜスマイルがコーチのところへまた戻ってくるのか。最初に原作読んだ時は何も違和感がなかったです。でも改めて監督するにあたって読み直すと、ちょっとよくわからなかったんですよ。で、いろいろ考えたんですが、スマイルはペコを待っているんだけれど、それだけじゃないんだよなって思い至りました。スマイルの中に父性を求める部分もあるよなって。そう思って読み直すと、オババがちゃんとセリフで説明しているんですよね。両親は早くに別れて、母親も夜も遅くにしか帰らないし、力強く愛してやらなきゃ不安になるって。セリフでさらっと触れられているだけだから、全然意識に残らなかったんだなと。それで第6話で家に帰って一人でいるスマイルを前もって絵にしておいたんです。絵にするとベタな印象にはなりますが、深く残りますから。
――小泉はどうでしたか?
湯浅 小泉も面白いんですよ。子どもがいるって原作で言ってるけど、とても子どもがいるようには見えないんですよね。月本に対するオドオドした態度の取り方は。そこがおもしろかった。あとは小泉とオババの関係ですね。オババが小泉に「愛してやる気がないなら、一切手を引くんだね」なんていうところは、ちょっと昔を感じさせますよね。アフレコの時はサラっと聞いてしまったんですが、聞き直すと、そのサラっとしている分だけいろいろ感じられて野沢さんすごいなと思いました。
――ベタというお話が出ましたが、今回は間口の広い語り口を目指したのでしょうか。