新世紀の音楽たちへ 第4回「同人音楽の中の民族音楽」 (5/9ページ)
【M3-2013秋 あ07b Casket(Musicatlas編纂委員会)】Musicatlas P. I【XFD】
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民族音楽の代替「ワールドミュージック」のエキゾチシズム
と、ここまで書いておいてなんだけれど、こうした諸民族の民族音楽だけが、同人音楽における「民族音楽」の由来となっているわけではない(のだが、正真正銘のフォークロールをやるサークルもたくさんある)。僕が思うかぎり、同人音楽の民族音楽には、他にもいくつかの源流がある。
その一つがポピュラーミュージックとしての「ワールドミュージック」だ。
60年代になるとそれまでの「民族音楽」に代わって「ワールドミュージック」という言葉が誕生する。いわゆる西洋の音楽以外にも、世界中には様々で豊かな音楽世界があり、それらに「優劣」なんてないことが広く認識されるようになってきて、そうした音楽を聞いてみたいというニーズが盛り上がってきたのだ。
こうしたニーズは80年代に入って大規模なムーブメントを生み出した。今度はメジャーレーベルで様々なプロモーターたちが活躍しはじめ、フュージョンなどの大規模なライブに民族音楽演奏家たちが出現しはじめたのだ。こうしたライブの影響で、イギリスでは80年代に民族音楽の大ブームがおきる。
大手レコード会社がこの「ワールドミュージック」を殺し文句にして、次々と諸国の音楽とポピュラー音楽をミックスした楽曲やアーティストを紹介しはじめる。今となってはおなじみの「サルサ」や「ガムラン」といったジャンルも、こうした時代の潮流の中で注目を浴びてきたのである。
そして80年代以降「ワールドミュージック」は2つ以上の音楽ジャンルが融合した「ネオ民族音楽」とでもいうべき様相を呈してくる。