新世紀の音楽たちへ 第4回「同人音楽の中の民族音楽」 (6/9ページ)

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いま僕らが「民族っぽい」と思う〈楽曲における民族っぽさ〉はこうした大手レコード会社によって紹介され、現代のアーティストたちによって加工されたエキゾチックなサウンドに由来していることが多い。

もちろん何が「ワールドミュージック」に編入されるのかは地域によっても異なる。日本の河内音頭もいまや世界中のクラブシーンで人を踊らせるエキゾチックなワールドミュージックなのである(「サノセッ」ってね)。でも日本では盆踊りの時ぐらいにしか聞く機会もないだろうけれど。

でも何がエキゾチックに聞こえて、何が聞こえないのかという問題は案外難しい。ただ聞き慣れない楽器や音階があればエキゾチックなわけではない。でもそう聞こえる音には「異界性」があるかもしれない。

enyaによる「ケルティックサウンド」と功績
エキゾチックな、異国的で異界的な魅力は普遍的に人を虜にする。その代表的な存在に、アイルランド出身のアーティスト・enyaがいる。

彼女の歌声はやさしく透明で魅力的だ。けれども、彼女がアイルランドの、原初的で雄大なイメージを自分のブランディングに生かしたことは「ワールドミュージック」の普及と展開において重要なことだった。

アイルランドの音楽はもともとアメリカのポピュラー音楽にも大きな影響を与えていたのだけれど、そうしたもの「島のケルト文化」を意識し、雄大で神秘的な自然やミステリアスな雰囲気をまとって、世界中の人たちから高い評価を受けた。

もちろんenyaが「ケルト・アイリッシュ音楽」を直接代表しているわけではない。「民族音楽」という売り文句を聞いて買ってみたら、ケルティックアレンジだったという事もなくはない。まるでケルト風の音楽が「民族音楽」の代名詞みたいに言われることもあるのだけれど、それは間接的にであれenyaの成功に寄るところも大きいのではないだろうか。

enyaの成功が、「エキゾチック」とのコラボを志向する「ワールドミュージック」ブームの一部であったことを考えると、「同人音楽のなかの民族音楽」の源流の一つをここに見いだすことはそう的外れではない気がする。

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