京都を愛する旅行ライターが教える「絶対に外さない人気の京都観光20のスポット」 (18/21ページ)
平安時代は洛外であり、天皇、貴族たちの狩りや遊楽地として人気がありました。今も、田畑、竹林が多く、洛中とはまた違った趣の寺、古い農家や民家などが点在し、かつての雰囲気を残しています。
散策やサイクリングなどで訪れてもいいでしょう。
中でも、かつての雰囲気を最も色濃く残しているのは奥嵯峨です。嵯峨野の最も奥にあたる愛宕街道の「鳥居本」一帯は、歴史的景観が残る「伝統的建造物群保存地区」に指定されています。愛宕神社の一之鳥居近くには「鳥居本町並み保存館」がありますが、ここを過ぎたあたりから景色は、山際に町家風民家が並ぶ風景から、昔ながらの茅葺き屋根の農家が増え、千年の昔を思わせるのどかな風景がひらけてきます。
また、このあたり一帯は、かつて都から死者を運んできて風葬にした地でもあり、「あだし野(化野)」とも呼ばれていました。境内に約8000体の石仏・石塔が並ぶ「化野念仏寺」は、弘法大師が死者たちを弔うために建てた寺です。
このあたりには、平家物語ゆかりの地も多く、「祇王寺」や「滝口寺」には栄枯盛衰の世に翻弄された女性たちが隠れ住んだところとして知られています。多くの和歌や俳句、小説、謡曲などに日本文学に縁の深い嵯峨野ですが、現在は、作家・瀬戸内寂聴師も「寂庵」という庵を結んでいます。
寂庵から「さがの人形の家」や田園の野仏などを見ながら西へ進めば、旧嵯峨御所と呼ばれる「大覚寺」。嵯峨野では特出した大伽藍を持ち、嵯峨天皇の山荘であった由緒ある寺院ですが、時代劇の撮影などにもよく利用されています。
また、小倉山の方へ道をとれば、南へ下れば俳人向井去来が閑居した「落柿舎」や、鎌倉時代、歌人・藤原定家が百人一首を選んだという「二尊院」、重要文化財の多宝塔などが残る「常寂光寺」、源氏物語ゆかりの「野宮神社」などの見どころが点在します。
小倉池から美しい竹林を抜けて「大河内山荘」「天龍寺」へ向かってもいいでしょう。