83歳筆者が考える「ウナギ」問題...たとえ我々の「文化」だとしても (4/7ページ)
では、どうすればよいか?それを7月18日に放送されたNHK BS1スペシャル『うなぎ未来への旅』というドキュメンタリーの内容を紹介しながら、筆者の知識を加えながら述べてみよう。
現在、日本で一般に蒲焼きとして消費されている鰻の殆どは、ヨーロッパで捕獲されたヨーロッパウナギの稚魚が中国や東南アジアへ輸出され、これらの国が稚魚を養殖して、一定のサイズまで育て、それが日本に輸出されて、我々日本人の食卓に上がる仕組みになっている、とのことだ。この国際取引の8割までが日本向けだ、と言われる。つまり、我々が今食べている鰻の殆ど全ては、こうした経路を辿るヨーロッパウナギの稚魚を養殖したものというわけだ。
1980年までの20年間には、それまでの輸入量の3倍となり、年間の輸入量が8億匹に上ったこともあるそうだから、これは単純計算でも、赤ん坊から老人まで日本人1人当たり年間8匹強の消費となるから、とても正気の沙汰とは思えない。
或る時期まで、浜名湖は輸入したヨーロッパウナギの稚魚を養殖する日本一の養鰻地域であったが、今では輸入シラスウナギの高騰で採算が取れず、廃業する業者が続出し、今やその廃業跡地はソーラー発電用基地となっている。その中で、未だに養鰻事業を継続し、頑張っている山下昌明さん親子の姿が、上記のドキュメンタリーで紹介されていた。
ヨーロッパウナギの稚魚は8年前に、そしてニホンウナギの稚魚は昨年、それぞれ絶滅危惧種に指定された。ヨーロッパウナギは既に輸出規制措置が執られているので、今、養殖のために輸入されている稚魚は、アメリカとアジアからのもので、3年前から稚魚の価格は1匹500円にもなっているという。
上に述べた、今も浜名湖で養鰻事業を親子で続けている業者は、鰻の蒲焼き店も営業しているのだが、その一方でこんな取り組みも行っている。