科学の名の元にとは言うものの...後にマッドサイエンティストと呼ばれた10人の科学者とその研究内容 (6/10ページ)

カラパイア


References:madsciencemuseum


・5. スタビンズ・フファース:自らに黄熱病のウイルスを投与

6_e2

 自分を実験台にしてでに病気を治したいというマッドサイエンティストの野心は理解できるが、それにも限度というものがある。

 スタビンズ・フファース(1784~1820)はペンシルベニア大学卒のアメリカ人医師で、当時フィラデルフィアの人口の10パーセントが命を落とした黄熱病の研究に取り組んだ。フファースは、冬の間、黄熱病の死者が減ることに気がつき、感染症ではなく、熱とストレスに起因する症状ではないかと考えた。 

 そこで彼は黄熱病が感染しないことを証明するために、自らをそれに晒すという狂気の研究を敢行。まず動物実験でそれを確認すると、次いで自分の腕を切開し、そこに黄熱病患者の嘔吐物をびちゃびちゃと垂らした。目にも垂らし、加熱して乾燥させたものを飲み込みもした。一向に病気にならないので、患者の他の汚染物も試したが、それでも病気になることができなかった。だが実は黄熱病は感染性だったのだ。黄熱病になりたければ、ただ蚊に食われて血液を直接輸血すればよかった。
「科学の名の元にとは言うものの...後にマッドサイエンティストと呼ばれた10人の科学者とその研究内容」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る