科学の名の元にとは言うものの...後にマッドサイエンティストと呼ばれた10人の科学者とその研究内容 (9/10ページ)

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References:smithsonianmag

・2. ハリー・ハーロウ:猿に加虐的実験を繰り返す

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 倫理を踏み越えた領域において、秘密裏に実験を行う科学者もいるだろう。しかし数多くの猿を破滅させたアメリカの心理学者ハリー・ハーロウ(1905~1981)は、不思議なほどの冷徹さで臆面もなく実験を行なった。

 ウィスコンシン大学マディソン校の研究者だった彼は、幼い猿の子供を母親から引き離し、1~2年檻の中で隔離。そして人形の母親と暮らしただけの猿と生身の母親に育てられた猿の心理と行動を比較した。

 この無慈悲な実験には多方面から非難が浴びせられたが、そればかりか実験の理論的基盤も批判された。

 マーロウの意図は、霊長類の発達における”愛”の重要性を明らかにすることだったが、その”愛”が非科学的な性質であると疑問視されたのだ。

 また彼の語る言葉には加虐的な響きがあった。彼は霊長類の人工授精を行う器具を “レ×プラック”、子供の猿を隔離したケージを”絶望の穴”と呼んでいた。

 無論、ハーロウの実験は子猿に凄まじい精神的ストレスを与えており、子供は自傷行為に及ぶようになった。それは穴から取り出された後でも止まなかった。
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