発生50年「三億円事件」現場のいま あの日この場所で、犯人は何を考えたか (8/9ページ)

団地の中に給水塔があるところにも昭和の空気を感じる
一方で、より駅に近いエリアではモダンなマンションが立ち並んでおり、住宅地として依然人気があることがうかがえる。この地に限らず、高度経済成長期に整備された団地は老朽化と住民の高齢化に直面して庶民の憧れではなくなっている。

小綺麗に整備された街並みが続く武蔵小金井駅近く
60年代という時代を象徴するような3億円事件と共に、モーレツ時代の産物・団地も歴史の中に埋もれようとしているのだろうか。冬の傾いた日差しに照らされる街に、ふとそんな感傷を抱いた。
この日、府中・国分寺でも小金井でも、心なしか警察車両を見かける機会が多かった。年末に向けての特別警戒の一環であろうか。

時効のはずが今も犯人を追うかのように、パトカーと白バイが走って行った
時代の隙を見事に突いた犯人
半世紀後の多摩の街はごく普通の平成日本の日常が送られていたが、徒歩と鉄道だけでこの現場をすべて回るのは意外と骨が折れた。
多摩地域の広いエリアに複数のアジトを確保し車を用意しておく犯人の周到さに舌を巻くが、同時に多数の目撃証言、遺留品、検問をかいくぐって逃げおおせた運の良さも実感する。