被災実態から乖離した東電の賠償 / 実損8億円に対し、わずか1600万円の和解案 / 原発20km圏内『凍天®』製造販売元 もち処木乃幡の現状 (5/13ページ)
それを前提に、銀行も多額の融資を承諾してくれました。
しかし、その後何年にもわたり東京電力からの誠意ある対応は得られないままでした。
それはまるで意図的な時間稼ぎであるかのようで、提出した書類の不備を指摘して再提出させたり、承服しがたい理屈で賠償を拒まれたりすることが繰り返され、その間に木乃幡の資金的体力はじりじりと蝕まれていきました。
2019年2月26日付で、長年争ってきた新工場移転費用及び増加利息・保証料に対しての和解案が提示されました。実際損額8億円に対して、わずか1600万円弱でした。
東電の言い分は、「新工場の移設は、新たな財産取得という解釈で、財物補償は認めない」「大規模な工場の建設を行ったのは木乃幡の経営判断」というものでした。
しかし実際は、新工場の面積は旧工場よりも小さく、生産能力も従前の6割なのです。
原発から5km圏内といった近い事業所であれば、東電から新規財物の取得費用の一部の賠償が認められた企業もあり、文部科学省のHPで「原子力損害賠償紛争解決センター 和解仲介の結果の公表について」で公表されています。(http://www.mext.go.jp/a_menu/genshi_baisho/jiko_baisho/detail/1329134.htm)
木乃幡が食品を扱う企業であることを考慮すれば、5kmでも20kmでも消費者が受ける印象にはさほど違いはなく、旧工場での経営は事実上困難であったことは誰にとっても明らかな筈です。