日本代表は、本当に強くなったのか? ラグビー界のレジェンド今泉清が語る南ア戦の収穫とワールドカップの課題 (3/10ページ)
もちろん「弱み」といっても強豪国の些細な弱点でしかなく、世界基準でいえばアベレージ以上のレベルではありますが。タックルにしても、少なくとも重量級のフォワードに正面から当たるより、比較的軽量なバックスのようなところに当たらせたほうがいい。
──なるほど。
今泉:戦略という言葉は、「戦う」+「略する」と書きます。この「戦」と「略」の間には、本来「省」という文字が入ります。要するに、「戦いを省略する」というのが戦略の本質です。できる限り無駄な戦いを省いて、いかに合理的な戦い方をするかが重要です。
その意味では、南アフリカはほとんど無駄なプレーをしていなかった。彼らがタテに入るときは、日本チームの比較的弱い選手を徹底して狙っていました。勝てるところで勝負していたということです。
──すでにワールドカップ本戦は目前ですが、日本代表の戦略は修正可能でしょうか。
今泉:十分間に合います。別に技術や基礎体力が足りないということではありませんから。
やはり日本は「低いプレー」がカギを握ると思います。前回、南アフリカに勝利したときには、タックルやモールなど、日本人ならではの「重心の低いプレー」が相手の脅威となっていました。この低いプレーをもう一度思い出してほしいですね。
──率直に、日本は本大会でどこまで行けますか。
今泉:決勝トーナメントに進出できると思いますよ。スコットランドに勝てる可能性はあります。
ポイントは20日の開幕戦です。ロシア戦の開始10分〜15分が最初にして最大の試金石となるでしょう。もちろん絶対に勝たないといけないですが、問題は勝ち方です。しっかり4トライとって、相手にはトライを取らせない。7点差以上引き離す。勝ち点5をしっかり取ることが求められます。
■17-145の大敗という屈辱。そして、そこからの大転換──そのお話をうかがって、開幕が楽しみになってきました。