日本代表は、本当に強くなったのか? ラグビー界のレジェンド今泉清が語る南ア戦の収穫とワールドカップの課題 (5/10ページ)

──その中からエディー・ジョーンズさんのような指導者も出てきた。日本代表が、前回(2015年)のワールドカップで躍進したとき、ヘッドコーチだったエディーさんの卓越した指導法が大きな話題となりました。
今泉:実はエディーさんは最初から指導者として完成されていたわけではありません。彼のコーチとしてのキャリアのスタートは日本の東海大学でした。コーチングは、そこから手探りで身につけていったと思います。
エディーさんがなぜ成功したかというと、目的、目標、手段が明確だったからです。
目的は日本ラグビーの歴史を変えること。それまでは世界から「日本人にはラグビーは無理だ」「日本は100年たっても、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、イングランドの世界4強には勝てない」というレッテルを貼られていました。
──そのレッテルを覆そう、と。
今泉:エディーさんはこう言いました。「君たち日本代表は、なんのために存在するのか。世界中が日本人はラグビーができない、ラグビーは無理だと思っている。その価値観を変えるために君たちが存在するんだ」。つまり、「日本人にもラグビーができることを証明する」というのを明確な目的にしたわけです。
──それは、強いモチベーションになりますね。
今泉:その目的の下、1日5回のハードな練習を、1年間、通算173日続けてやった。とんでもなくハードだったんですけど、キツいときに誰かが「歴史を変えるのは誰なんだ!」と叫ぶと、みんなが「俺たちだ!」と言いながら自らを奮い立たせた。
──痺れるエピソードです。