恐竜は実はもふもふだった?! ミステリー小説にも似た恐竜研究のロマン (5/8ページ)
卵の化石からどんなことがわかるのでしょうか?
田中先生 繁殖に関する、いろいろなことがわかります。例えば、卵の表面を顕微鏡で調べてみると、恐竜の種類によって卵の殻に開いている穴(気孔)の大きさや数が異なっています。この穴は卵の中の胚が呼吸するためにあるのですが、あまりに穴の数が多いと卵の中の水分がどんどん蒸発して干からびてしまいます。
例えば、卵を抱いて温める(抱卵といいます)鳥では、巣の中で卵が乾燥しないよう、穴は小さく、数も少なくなっています。ですから、恐竜の場合でも殻の表面にある穴を調べることで、その恐竜がどのように卵を温めていたのかがわかるのです。

――なるほど。
田中先生 この研究は「卵殻の穴」という顕微鏡サイズの話でしたが、もっとシンプルな特徴、例えば卵の形状にも進化のヒミツが隠されています。例えば鳥に近い恐竜では、卵が細長くなります。これは、恐竜の骨盤が輪っかのような形をしていて、その中を通り抜ける卵は、卵の径が必然的に骨盤の太さに制限されるためです。
体のわりに大きな卵を産みたいのに、どうしても卵の幅は大きくできない。じゃあどうすればいいかと言うと、卵を前後に長くして、卵の大型化をはかるのです。卵が大きければ、それだけ大きなヒナが生まれますから、生存には有利になります。
――面白いですね! すると、卵の形状を見ると、それを産んだ恐竜の卵管の太さが推測でき、繁殖戦略が見えてくるわけですね。
田中先生 また、巣の化石の堆積物を詳しく調べることで、巣材に何を使っていたのかといったことがわかります。現生動物でも、さまざまな方法で卵を温めます。地面に埋めて太陽光で温めたり、地熱を利用したり、植物が腐食する際に出る熱を利用したりですとか。