「鎌倉殿の13人」戦闘狂・源義経が大暴れの予感、木曽義仲主従の壮絶な最期!第16回「伝説の幕開け」予習 (10/12ページ)
兼平討つて見参に入れよ」
※『平家物語』巻第九「木曽殿最期」より
噂に聞いたことはあるだろう、今こそ眼(まなこ)に焼きつけろ。我こそは木曽殿が乳兄弟なる今井四郎兼平。殺せる者がいないから、今年で三十三歳になってしまった。とうぜん鎌倉殿も知っていよう(=大手柄になる)から、我が首級を獲ってご覧に入れるがいい!
言うなり兼平は残った矢を次々に射放ち、いちいち生死は確かめていないものの、ことごとく馬から射落とされます。
矢が尽きれば弓を擲ち、白刃を抜き放って縦横無尽に斬り回りました。あまりの強さに怯んだ敵は遠巻きに射殺そうと矢を放ちますが、鎧が丈夫であったので鏃(やじり)が貫通せず、傷も満足に与えられません。
一方の義仲は、ただ一人で松原を駆け抜けていました。しかし入相(いりあい。夕暮れ)時だったため薄氷の張った深田に気づかず乗り入れてしまい、馬の顔が見えぬほど沈み込んでしまいます。
あぁ、どうしよう……不安に背後を振り向いた義仲の内甲(うちかぶと。兜をかぶっている内側。無防備になりやすい部分)を石田次郎為久に射られて重傷を負った隙に首級を獲られてしまいました。