「鎌倉殿の13人」一度戦となれば、一切容赦はしない。第36回放送「苦い盃」振り返り (5/11ページ)

Japaaan

愛息の政範を喪った“りく”に寄り添ってやりたいのはもちろんですが、重忠だって大事な“ちえ(演:福田愛依)”の婿。ずっと家族を大事にしてきた時政にとって、はやり「無理をしすぎた」のでしょう。

それでも最後は“りく”を選んだ時政。子供たちの前でも本音を隠し、畠山討伐に向けてひた進みます。

もちろん“りく”も政子の説得をはぐらかし、「御家人同士が殺し合うのはもうたくさん」と一芝居。剪定鋏で野菊の花を切り落とす描写に、畠山討つべしの本音が透けて見えました。

いつの間にか、家族で腹を割って話すこともできなくなっていた北条ファミリー。いつまでも昔のままとはいかないものの、やっぱり寂しい限りですね。

昔しと言えば、政範を喪って悲しむ“りく”を慰めようと時政が「親父殿の皿を割って叱られたが、皿に盛られた料理の思い出はずっと残る」と昔話を始めた場面に、彼なりの愛情が感じられました。

が、それは夫(男性)の感覚であって妻(女性)にしてみれば、何の慰めにもなりません。自分の血がつながった(ここ最重要)愛息を喪い、もはやその埋め合わせ(再び産むこと等)が叶わない以上、なすべきことは仇討ちあるのみ。

継娘の婿である重忠と、実娘の婿である朝雅のどっちをとる(信じる)かと言えば断然後者。どっちが正しいか、事実関係の確認なんてどうでもいいのです。

ここで畠山を討って足立遠元(演:大野泰広)を退けて武蔵国を掌握せねば、かつて自分たちが梶原景時(演:中村獅童)や比企能員(演:佐藤二朗)を滅ぼしたように、今度は自分たちが滅ぼされる。

彼らもまた、そんな恐怖の中で生きていたことを感じさせる一幕でした。

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