「どうする家康」猿に続いて、白兎まで女狐の毒牙に!?第38回放送「唐入り」振り返り (6/11ページ)

Japaaan

此度の役に中国西国の若者どもはみな彼地にをし渡り。殿下今また北国奥方の人衆を召具して渡海あらば。国中いよいよ人少に成なん。その隙を伺ひ異城より責来るか。また国中に一揆起らんに。徳川殿一人残りとゞまらせ給ひ。いかでこれを志づめたまふ事を得ん。さらばこそ渡御あらんとは宣ふらめ。長政がごときも同じ心がまへにて侍れ。……

※『東照宮御実紀附録』巻七「浅野長政停秀吉之外征」

長政の曰く「徳川殿の仰ること、もっともに存じます。此度の戦で西国の者たちどころか、今度は北陸や奥州の者たちも動員すれば、日本国内の守りが手薄になります。その隙をついて他国が攻めて来たり、謀叛が起きたりするかも知れません。いくら徳川殿でも、お一人では守り切れますまい。よって殿下の唐入りはご再考いただきたいと、それがしも同じく考えております」と。

この「同じ心がまへ」にかかるのは、文脈から家康に対する同意なのでしょうが、その趣旨は異なるように感じます。ともあれ、長政は続けました。

……惣て殿下近比の様あやしげにおはするは。野狐などが御心に入替しならんと申せば。関白いよいよいかられ。やあ弾正。狐が附たるとは何事ぞとあれば。弾正いさゝか恐るゝけしきなく。抑応仁このかた数百年乱れはてたる世の中。いま漸く静謐に帰し。万年太平の化に浴せんとするに及び。罪もなき朝鮮を征伐せられ。あまねく国財を費し人民を苦しめ給ふは何事ぞ。諺に人をとるとう亀が人にとらるゝと申譬のことく。今朝鮮をとらむとせらるゝ内に。いかなる騒乱のいできて。日本を他国の手に入んも計り難し。かくまで思慮のなき殿下にてはましまさゞりしを。いかでかくはおはするぞ。さるゆへに狐の入替りしとは申侍れといへば。……

※『東照宮御実紀附録』巻七「浅野長政停秀吉之外征」

「そもそも近ごろの殿下は妙なことばかり思い立って、狐にでもとり憑かれたのではございますまいか」

「やい弾正(長政)!狐が憑いたとは何たる暴言か!」

「ようござるか。応仁の乱よりこのかた、百年以上にわたる乱世がようやく静まろうとしているにもかかわらず。

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