大河『べらぼう』煙草の罠、謎だらけの死、白湯の意味…平賀源内(安田顕)の去りいく背中を惜しみつつ考察【後編】 (6/10ページ)
「俺の口に戸は立てられない」と暴言を吐いたのは、「俺の知っているあれこれや、徳川家基(奥智哉)毒殺事件の真相などを暴いてやる、言いふらしてやる」ということではなく、「大奥やら城の中で『毒殺したのは田沼だ』と噂されているが、そのデマを暴いて犯人を俺が突き止めてやる!」ということだったのでしょう。
真摯に国益を考えひたすら邁進した源内らしい話だと感じ入りました。
番外編でぜひ、“七ツ星の龍“と“源内軒“の二人が、“陰に潜んでいる悪”を引っ張り出し罰するという、痛快バディコンビのストーリーをやって欲しいと思いました。
白湯が与えたのは“死”なのか“温もり”なのか一枚の遺稿を読み、源内の想いを知った意次が「だから言ったではないか」と無念の涙を浮かべるシーンは、冷たい仕打ちもすべて危険から遠ざけるためという真意が伝わり、思わず涙しました。
牢に訪れ「田沼意次はここにおる」と手を握ぎり抱きしめられた後、源内はどこかホッとしたような表情を浮かべていました。取り戻したかった意次との絆・信頼を再び手にできたからでしょうか。
「甘い煙草」を吸い出してから尋常ならぬ表情を浮かべていたものの、薬物の影響が抜けたのか、元の姿を取り戻したように見えました。ドラマでは「意次が牢を訪れてから一ヶ月ほど経った設定」だそうです。
牢獄の寒さに震えながらも「乾坤(あめつち)の手をちぢめたる氷かな」と一句詠む源内。いつもの知性を取り戻したようでした。
コトリと音がして、牢の床に何者かが置いた湯気の立つ白湯が入った腕。