『豊臣兄弟!』人質は万丸だけではなかった…光秀・お市・義景まで縛った第16話の残酷な構図を考察 (5/10ページ)
「宮部殿は立派なお方、万丸も大事にしてくれるはずじゃ」と小一郎は重ねますが、「かもしれん」「かもしれん」「○○はずじゃ」と、根拠のない言葉でだけで「我が子を人質に出すわけなかろうが」と思いました。
「わしらはもう百姓ではない。侍なんじゃ。」「一人でも多くの者が助かる道を選ばねば、なりませぬ。人質などいなくても、皆が笑って生きられる世の中を、いつか作ってみまする。わしらはそういう侍にならねばなりませぬ!」と、語る小一郎。
直(白石聖)が見たがっていた「戦いのない世界」は、小一郎の中に息づいていました。けれど、小一郎のその理想論は、「(その世界を作るために犠牲になるのが)なぜ、私の万丸なんだ!」という、ともの問いの答えにはなっていません。
小一郎と夫の説得に絶対に頷かないとも。ずっと無言で涙を流しながら首を横に振り続け、ただの一度も、首を縦に振ることはありませんでした。
「小一郎兄さんは間違っとる。藤吉郎兄様は、ずっと家にいなかったじゃないの」という、あさひ(倉沢杏菜)。
「貧しくとも笑って過ごした家族の輪の中に藤吉郎はいなかった。そんな兄の手柄のために、姉の子を人質に差し出せっていうのか」という気持ちだったのでしょうか。
それにしても……「わしらは侍なんじゃ!守る側になった。」とキリッとした顔で「侍の覚悟」を迫る小一郎の場面に続き、その「侍」が守るべき無辜の民を虐殺する場面に切り替ったのは、なんとも痛烈な皮肉です。
これから、万丸どころか、あさひも母・なか(坂井真紀)も秀吉のため『人質』にされる、そんな未来が待っています。