ストーリーテリングとは何かを教えてくれる、完璧に近い映画10選 (7/9ページ)
「心の連鎖」を描いた本作は、『プライマー』同様に難解で、一度見た程度では理解できません。
しかし、複雑に見えて非常にシンプルな関係と、おぞましい科学を合わせたこのストーリーは、難解でありつつも「明瞭さ」を非常に大切にしています。というのも、カルース監督は、登場人物に何かに対する説明を一切させておらず、全てを映像で見せているからです。
カルース監督は、全てのプロットを像と並列で伝える方法をとっており、「聴覚」よりも「視覚」の究極の例となっています。曖昧さを残したまま迎えるエンディングも、「結局何が伝えたいのかわからなかった」ではなく、「次は何が起こるのだろうか」と観客に予想させる為に計算されているからなのです。
■『もののけ姫』

グロテスクなまでに鮮やかな色使いも印象的
このリストに登場する映画を撮影した監督は、一様にストーリーテリングに長けていますが、日本を代表するアニメ監督の宮崎駿もその一人。彼の作品の多くはこのリストにランクインすることができますが、中でも特別なのが『もののけ姫』でしょう。
この映画は、美しさと動きの良さだけでなく、村の少女らを守るためにタタリ神を殺したことで呪いをもらってしまった少年アシタカに対し、同情を寄せさせる上手さがあります。そして、「自然や人間の関わり」といった話題のテーマを、人間の心に語りかけつつ、簡潔ではなく複雑に描いているのです。