ストーリーテリングとは何かを教えてくれる、完璧に近い映画10選 (8/9ページ)
また、産業主義や開発、自然破壊に対するメッセージというと、破壊のみが悪といった印象を与えやすいのですが、本作の場合、タタラ場の長であるエボシ御前がどれほど人々から敬われているのかということも様々な場面で丁寧に描かれています。
その上で、エボシとサン(もののけ姫)の両方がお互いの世界で生きながらお互いを理解する、もしくは相互破壊に直面する必要があるということを伝えているのです。
『もののけ姫』は人を圧倒する力を持ち、泣かせるだけでなく、見た後にも考えさせる余韻を残す作品と言えるのです。
■『28日後...』

究極のポスト・アポカリプスといえばコレ
『28日後...』は、これまでのゾンビの概念を壊し、ダッシュするゾンビ(厳密にはゾンビではありませんが)を登場させたことで一気に知名度をあげた作品です。しかし、この映画の良さは駿足ゾンビの意外性だけでなく、ポスト・アポカリプスのストーリーテリングにもあるのです。
映画冒頭から漂うパラノイアと侘しさ、凶暴なウィルスに感染した猿が解き放たれた研究室、直ぐに明らかになる世界の状況。静まり返り、誰も居なくなった場所を写すことで、そこが危険な場所であるという極度な不快感を伝えています。
しかし、この映画の中で一番恐ろしいのは、レイジ(凶暴性)ウィルスの存在ではなく、クリストファー・エクルストン演じるヘンリー・ウェスト少佐の種族維持のための「レイプ」指示でしょう。これこそが、真のアポカリプスの恐怖です。