「鎌倉殿の13人」北条ファミリー最後の団らん…第37回放送「オンベレブンビンバ」振り返り (8/10ページ)

Japaaan

ちなみに『吾妻鏡』における義盛の最期は、寵愛していた四男の和田朝直(ともなお)が討たれたことで、泣き叫んで駆けずり回ったと伝えられます。

「武衛、武衛、武衛……!」

実朝をそう呼び求めながら、義時の前で義村に殺されていく義盛の姿が目に浮かぶようです。

北条ファミリー・最後の団らん

さて、いよいよ実朝の排斥計画を実行に移そうとする時政でしたが、最後にりくへ語り掛けます。「わしの望みはもうない。お前が何よりの宝だから」

ずっと伊豆の土豪でいられたら、どれほど幸せだったろうか。しかし娘が佐殿を選び、りくを妻とした以上、もはや後戻りはできなかった。

もう自分の器量を超えた欲望に振り回されるのは正直しんどい。愛妻や家族みんなで仲良く幸せに暮らすことこそが、時政の望みでした。

でも、りくは強欲で、しかもいい女なのです。「もっと喜ばせて下さいませ」多くの作品ではこれに魅了された時政は、ノリノリで謀叛を企むのがお約束。しかし本作の時政に、家族を殺すなんてやっぱりできません。

子供たちをとるか、愛妻をとるか。普通に考えれば欲望を煽り立てて家族の和を乱す妻一人を追い出せば解決するのですが、彼女は自分に人生の望みを賭けて嫁いできたのです。

自分を頼って来た者の気持ちをむげにはできねぇ。たとえそれが、どれほどの悪人悪女であろうとも。

と言って子供たちを殺すことなどできず(そもそも謀叛が成功する見込もない)、時政が選んだ道は「あえて謀叛を起こし、りくと一緒に相応の報いを受ける」。ついに時政は、孫(実朝)に向かって抜刀までしてしまったのでした。

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