「どうする家康」おんな城主お市の最期。茶々に受け継がれる天下取りの野望。第30回放送「新たなる覇者」振り返り (8/16ページ)
さて、娘は誰を出そうか……そうだ。しばらく前に側室のお葉(演:北香那。西郡局)に産ませた次女のおふう(清乃あさ姫。督姫)を氏政嫡男・北条氏直(演:西山潤)に嫁がせたのです。
ひとまずこれでめでたしめでたし(※え、真田の恨み?そんなの大した事ないっしょ)……劇中ではそんな感じで片付けられていました。だがちょっと待って頂きたい。
北条が「眠れる獅子」と評されていましたが、氏政が家督を継いだ永禄2年(1559年)以来、北条にいつ寝る余裕がありましたか?
あンの小にっくらしい猿(秀吉)めが「関東の隅っこでぬくぬくとしていた」などと吐(ぬ)かしておりましたが、それは越後の龍と恐れられた長尾景虎(ながお かげとら。上杉謙信)とおよそ十年間にわたる抗争を繰り広げた過去を知っての暴言でしょうか。
もうすぐ関東一円を切り従えると思っていたのに、神のごとき武威を前に、片っ端から覆されえてしまいました。
味方の城は次々と陥落・降伏していき、残る城はほんのわずか。最後は小田原城に立てこもり、相手の兵站(へいたん。補給ルートやシステム)や諸勢力との結束に綻びが生じ、引き下がってくれるまでひたすら耐え忍んだのでした。