「どうする家康」おんな城主お市の最期。茶々に受け継がれる天下取りの野望。第30回放送「新たなる覇者」振り返り (9/16ページ)

Japaaan

月岡芳年筆

長尾が引き揚げたら地道に奪い返し、また長尾が来たらまた寝返られを繰り返した年月は、まさに心身を削られるものだったはずです。

更には窮地の今川氏真(演:溝端淳平)を助けるため武田信玄(演:阿部寛)と断交・開戦。後に一時休戦したものの、天正7年(1579年)に勃発した御館の乱で煮え湯を飲まされたことから、再び武田勝頼(演:眞栄田郷敦)と争います。

また関東には常陸の佐竹義重(さたけ よししげ)や房総の里見義弘(さとみ よしひろ)と言った勢力が頑強に抵抗しており、絶えず一進一退の攻防戦を繰り返していました。

つけ加えるなら氏政自身も18歳の時から最前線で槍を振るい、数々の戦場で武勲を重ね続けた豪傑。兵の駆け引きもここ一番の度胸も備えていました。

劇中では親子揃ってこれ見よがしに汁かけ飯を啜り、暗愚っぽい雰囲気をアピール(※)していましたが、それは(描く側が)結果だけしか見ていないからでしょう。

(※)氏政が子供のころ、食事の時に飯の汁を一度かけて、食っている途中に再度汁をかけたのを見た父・北条氏康(うじやす)が、「毎日同じ飯を食っているのに、必要な汁の量すら分からないバカ息子だから、きっと当家を滅ぼすだろう」と嘆いたエピソードに基づきます。

しかしこれも結果から見た後世の創作と考えられており、ステレオタイプな「家康の引き立て役」ぶりが、ちょっと残念でした。これから見返して欲しいですね!

賤ヶ岳の合戦〜秀吉の言いがかりで清洲会議の合意は破綻

「出てこーい、柴田ー!」

罵声と嘲笑、そして乱発される銃声。これはいったい何のドラマか(あるいは寝落ちして場面が飛んでしまったのか)と驚きましたが、そう言えば戦国時代でした。

羽柴秀吉と柴田勝家の決戦として名高い賤ヶ岳の戦い(天正11・1583年4月)はほぼ丸ごとすっ飛ばして、いきなり本拠の北ノ庄城に追い詰められてしまったのですね。

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