大河「べらぼう」編集者の正論が心を削る…蔦重の殺し文句に惹かれた春町、鱗の旦那が託した“夢”を考察【後編】 (9/11ページ)

Japaaan

以来、ずっと蔦重を心の中で想っていた花の井の宝物となり、瀬川花魁になり仕事がたてこんで体がキツくなったときもいつも取り出しては何度も読んでいた本です。

『塩売文太物語』は、最後には好きな男と添い遂げられるハッピーエンドで、物語自体が「いつかは惚れた蔦重と結ばれたらいいな」という瀬川の“夢”が詰まった本だったのです。

そして蔦重が駆け落ちを目論み、偽造した通行手形の「女の名前」に、この本の主人公「しお」を使い、瀬川に「二人で逃げるぞ」という“夢”のメッセージを伝えたこともありました。

そんな、たくさんの叶えられなかった過去の“夢”が詰まっている大切な「塩売文太物語」が鱗形屋の本で、その板木を託されるとは。過去の夢を回収している脚本の技が光ります。

塩売文太物語(鱗形屋)国立国会図書館,デジタルコレクションhttps://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100361266/

実際に、この「塩売文太物語」は作画者は不明、版元は鱗形屋で、寛延2年(1749)に刊行されています。

瀬川と蔦重の“夢”が詰まっている本は、鱗形屋が作ったもの。

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