「鎌倉殿の13人」心を開きかけた頼家だが…第29回放送「ままならぬ玉」振り返り (4/11ページ)
安達藤九郎盛長。誰よりも頼朝に近く、忠義を尽くした一人。『集古十種』より
「私が死んだら、頼朝様のそばに、ほんのちょっとでいい。小指の先で構わん。埋めてやってはもらえんか」
流人時代からずっと頼朝に仕え続け、誰よりもそば近くに寄り添っていた藤九郎の健気な姿は、まさに鎌倉殿の良心でした。
義時「何とかいたしましょう」
藤九郎の忠義に心打たれた義時の答えは、本当に何とかしてあげたいという誠意に満ちたもの。
殺伐とした日々の中で、本当に心安らかなひとときでした。
もしかしたら、頼朝公の墓の周りのどこかに、藤九郎の小指の先が埋まっているのかも知れませんね。
合議制は形骸化、比企と北条の対立が深刻にさて、景時・義澄・盛長そして出家した中原親能(演:川島潤哉)が相次いで抜けた結果、鎌倉殿の13人は早くも9人に。
「これからは、好きにやらせてもらう」
そう豪語する頼家に、比企能員(演:佐藤二朗)は釘を刺します。
「比企能員に万事お任せあれ。その上で、お好きになさるがよろしい」
合議制はもはや形骸化し、比企一族が鎌倉を牛耳ろうと野心をむき出しに。頼家の強がりつつも忸怩たる思いをにじませた表情が印象に残りました。
このままでは権力争いを止められないと危惧した義時と尼御台・政子(演:小池栄子)は、時政を国守に推挙させます。